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国民年金に関する裁決をご紹介します。


老齢給付

障害給付

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■老齢給付

 本件の場合、請求人は昭和47年当時、所管市役所の職員の指導に従って保険料を特例納付したものであり、本請求期間を老齢基礎年金の算定の基礎に算入しないとした原処分は妥当でなく取消。(H14.9.30)

<ここがポイント>

 厚生年金の脱退手当金を受けた期間について、市役所の指導により国民年金の保険料を納付したところ、30年経過して裁定請求した時に誤りであることが判明し、保険者側はその分の還付請求をするように主張しているが、請求人は還付ではなく年金額に反映すべきと主張している。確かに脱退手当金を受給した期間については、国民年金の保険料を納付できないが、本件はあくまでも行政の指導に従ったまでのことであり、一般国民には周知されていないことであるから、請求人の主張を認める判断をした。

 

 請求人が、夫の厚生年金保険被保険者資格変更等に伴う第3号被保険者に関する届出を行わなかったことから国民年金保険料納付済期間に算入されない期間が生じたことについては、特例届出により送付済期間とすることができた時期に市役所における応対が誤ったためであり、行政法上の信義則に照らして、保険料納付済期間と認めなかった原処分は妥当でなく取消。(H14.12.24)

<ここがポイント>

 請求人が行政に対して、第3号被保険者期間の遺漏はないかを確認したところ、その対応に当たった職員から問題はないとの回答があったため、第3号被保険者の届出をしなかった。本件の場合も、行政の誤った対応により、国民が不利益を被らないように請求人の主張を認める判断をした。

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■障害給付

 (亡)○○の肺梗塞ないし肺塞栓については、初診日から1年6月を経過する以前に症状は固定したと認めることができ、この障害認定日における障害の状態は、1級に該当するものと認められるため、障害認定日に到来していないとの理由で不支給とした原処分は妥当でなく取消。(H14.1.31)

<ここがポイント>

 1年6ヶ月よりも前に症状が固定したかどうかが争点。障害認定日とは「症状が安定し、長期にわたってその疾病の固定性が認められ、医療効果が期待し得ない状態で、かつ、残存する症状が自然的経過より到達すると認められる最終の状態に達したときをいう」と解されている。本件の場合、治療方法の大幅な変更も症状の改善もあり得ないような、比較的安定した一定の状態に達したという意味で、最終的な状態に到達していると判断された。

 

 請求人のてんかん(頭部外傷後)、てんかん性精神病については、初診日が20歳未満であったと認められ、また、裁定請求日における障害の状態は、国年令別表に定める2級に該当すると認められるため、保険料の納付要件を満たしていないとして不支給とした原処分は妥当でなく取消。(H14.3.8)

<ここがポイント>

 請求人は初診日が20歳前としているが、保険者は20歳以後としている。もし、20歳以後であれば、保険料納付要件を満たしていないことになり、障害年金は不支給である。初診日については、20歳前に起した自損事故日(昭和61年)であろうとなったが、さらに保険者は平成5年4月まで就労し治療も受けていないとして社会的治癒を主張し、初診日を20歳前とすることを否定した。ところが、社会的治癒は被保険者(被保険者であった者を含む)を保護するためのものであって、保険者を保護するものではないとして、社会的治癒を認めなかった。

 

 請求人の両 )球後視神経炎、視神経萎縮については、請求人には法第69条にいう「故意」は存しなかったと認められ、法第70条を用いることは裁量権の行使として妥当なものとはいい難しく、また、障害認定日における障害の状態は、国年令別表に定める程度に該当しないが、裁定請求人においては1級の程度に該当すると認められるため、不支給とした原処分は妥当でなく取消。(H14.3.8)

<ここがポイント>

 本件は、当該傷病の発生時期とシンナー吸引時期が同時期であることから、20歳前にシンナー吸引によって生じた障害であると判断された。次の争点は、「故意に障害またはその直接の原因となった事故を生じさせた者」に該当するか否かであるが、シンナーを吸引することにより視神経障害を引き起こすことは医学上は広く知られているとしても社会常識までにはなっていないとして、不該当と判断された。さらに「故意の犯罪行為」に該当するのではないかが争点となったが、吸引当時の年齢、頻度、障害の程度等を勘案した上で、保険給付を制限することは裁量権の行使として妥当なものとは言い難いとした。

 

 保険者は届出に基づき請求人の第3号被保険者資格取得月を平成6年7月と認定したところ、請求人が同年3月から入院療養中であるという事実に鑑みれば、同年6月16日病気退職を余儀なくされ、以後恒常的収入がなくなったばかりでなく、引続き入院加療を要する状態であった同年6月について、夫の被扶養者と認定しない理由は認められず、同月に第3号被保険者資格を取得したものとして取り扱うのが相当であり、そうすると、所定の納付要件を満たさないとして行った原処分は妥当でなく取消。(H14.6.28)

<ここがポイント>

 平成13年3月7日を1級障害基礎年金の受給権発生日としたが、初診日が平成6年9月6日であり保険料納付要件を満たしていないとした。請求人は平成6年5月まで第2号被保険者であり、7月には第3号被保険者と認められているので、争点は同年6月に保険料滞納期間とならなければよい。その期間については平成8年6月に保険料を納付しているものの、これが初診日以降に該当するため保険料納付要件は満たしていないと主張している。確かに保険料を納付したとするならば初診日の前日において納付されていなければならず保険者の主張とおりであるが、第3号被保険者の2年間の遡及適用については、初診日以後であっても2年間遡及し、第3号被保険者期間となる。そうすると、平成6年6月は第3号被保険者とすべきであると判断された。

 

 請求人の精神分裂病については、初診日の20歳前であったと認めるのが妥当であり、かつ、裁定請求日における障害の状態は、2級の例示に該当していると認められるため、不支給として原処分は妥当でなく取消。(H14.8.30)

<ここがポイント>

 本件は、初診日が確定できないものであるが、残っている診断書から20歳前であったと認めるのが妥当だと判断された。

 

 請求人の精神発達遅滞による障害の状態は、客観的な医証は入手できないが、当該傷病の医学的特性からみて20歳到達日においても2級であったと推認するのが相当であるため原処分は妥当でなく取消。(H14.10.31)

<ここがポイント>

 本件は、平成13年6月より障害基礎年金を支給するとしたものを20歳前障害による給付を求めたもの。初診日が昭和28年5月であり、これが旧法の障害福祉年金の時代のものであり、新法(昭和61年4月1日施行)に切り替わってからは、国民年金法第30の4条第1項(第2項ではなく)に該当するものとみなして障害基礎年金を支給ものとしている。請求人は、20歳当時に遡及して年金の支払を求めたものの本来であれば権利を5年間行使しなかったものとして消滅するところ、行政措置により時効の規定を援用しないとした。ただし、本来支払期日より5年間は、支分権消滅として支払いはしない。争点としては、20歳到達当時に障害等級に該当していたのかどうかであるが、該当していたものと推認された。

 

 請求人の心臓機能障害については、10歳代後半から胸痛及び過換気症候群様の発作を頻回に起こしていたことは間違いないが、当時一般医が生活習慣病の代表の一つである虚血性心疾患を疑わなかったことはやむを得ないことである。請求人の傷病の初診日は、診断確定直前の病状とこの傷病がよく符合することから、20歳前であったと判断することが相当である。また、裁定請求日における障害の状態は2級の程度に該当することから、初診日において資格要件を満たしていないため支給しないとした原処分は、妥当でなく取消。(H14.12.24)

<ここがポイント>

 初診日を昭和61年9月29日として保険料納付要件をみると満たしていないが、当時は虚血性心疾患というものを疑わず、確定診断したのはその時だろうが、さらに昭和58年1月2日に他の病院でも診察を受けており、その日を初診日と判断された。よって、20歳前障害となり保険料納付要件は不問とされた。

 

 請求人の血友病性関節症による障害の状態は、血液凝固因子活性について、傷病の医学的特性から生涯にわたってほとんど変化がないことは明らかであり、20歳到達日及び昭和61年4月1日においても、裁定請求日と同様であったと推認されることから、裁定請求時から障害基礎年金を支給するとした原処分は妥当でなく取消。(H14.12.24)

<ここがポイント>

 本件は、平成13年9月より障害基礎年金を支給するとしたものを20歳前障害による給付を求めたもの。初診日が昭和39年11月であり、これが旧法の障害福祉年金の時代のものであり、新法(昭和61年4月1日施行)に切り替わってからは、国民年金法第30の4条第1項(第2項ではなく)に該当するものとみなして障害基礎年金を支給ものとしている。請求人は、20歳当時に遡及して年金の支払を求めたものの本来であれば権利を5年間行使しなかったものとして消滅するところ、行政措置により時効の規定を援用しないとした。ただし、本来支払期日より5年間は、支分権消滅として支払いはしない。争点としては、20歳到達当時に障害等級に該当していたのかどうかであるが、該当していたものと推認された。

 

 請求人のうつ病、てんかんによる障害の状態は、裁定請求日において、てんかん発作は抑制されているものの、知能障害、性格変化、その他精神神経症状等が出現しており、国年令別表に定める2級の程度に該当するものと判断されるため、不支給とした原処分は妥当でなく取消。(H14.3.8)

<ここがポイント>

 争点は、障害等級の2級か3級かである。長年のてんかんによる影響もあって、知的障害、性格変化、その他の精神神経症状等が出現しており、日常生活能力は、大部分は一人では対応が困難か又は不可能な状態にあり、また、日常生活能力の程度は「精神症状を認め、家庭内での単純な日常生活はできるが、時に応じて援助や保護が必要である」とされていることから2級に該当すると判断された。

 

 請求人の境界型人格障害による障害の状態は、病態像として、対人関係過敏、摂食障害、抑うつ状態も残存しており、認定基準の2級の例示に該当すると判断されるため、支給を停止とした原処分は妥当でなく取消。(H14.3.8)

<ここがポイント>

争点は障害等級の2級か3級か。認定基準によれば2級に該当すると判断された。

 

 請求人の精神分裂病による障害の状態は、症状が不安定な際にはパニック状態となり、また、突然の主治医交代に伴う動揺も大きく、社会適応能力が非常に低下しており2級に該当するものと認められるため、支給停止とした原処分は妥当でなく取消。(H14.3.29)

<ここがポイント>

争点は、障害等級の2級か3級か。認定基準によれば2級に該当すると判断された。

 

 請求人の物事に真摯に取り組む意欲が認められる等の印象は、性格の素直さ、温良さに負う面が多分にあると思われ、実際には、社会適応能力や自立性に乏しく、多くの面で日常生活について継続的な指導、介助を必要とし、一般的就労は困難であり、精神能力は全般的に発達が遅滞しているものと認められることから、請求人の知的障害による障害の程度のついては、障害等級2級に該当するものというべきであり、障害基礎年金を支給しないとする旨の原処分は妥当でなく取消。(H14.6.28)

<ここがポイント>

 争点は障害等級の2級か3級か。物事に真摯に取り組む意欲が認められる等比較的高い知能レベルを示すように見える点も確かにあるが、それは知能レベルの高さを意味するのではなく、性格の素直さ、温良に負う面が多分にあるとして2級と判断された。

 

 請求人の脳梗塞については、失語症のため対人関係が成立し難く、常にうつ状態を呈し妄想状態も出現していることから、2級に該当すると認められるため、不支給とした原処分は妥当でなく取消し。(H14.7.31)

<ここがポイント>

争点は、障害等級の2級か3級か。認定基準によれば2級に該当すると判断された。

 

 請求人の僧帽弁閉鎖不全症、洞不全症候群による障害の状態は、裁定請求日において2級の例示に該当していると判断するのが相当であるため、不支給とした原処分は妥当でなく取消し。(H14.8.30)

<ここがポイント>

争点は、障害等級の2級か3級か。認定基準によれば2級に該当すると判断された。

 

 請求人の多発性脳梗塞については、運動麻痺とそれに随伴していると不随意運動は、ともに当該傷病に起因している脳の広範囲な器質障害によるものと認められることから、裁定請求部において2級の程度に該当していると認められるため、不支給とした原処分は妥当でなく取消し。(H14.8.30)

<ここがポイント>

争点は、障害等級の2級か3級か。認定基準によれば2級に該当すると判断された。

 

 請求人の精神分裂病について、平成12年現況届提出時における障害の状態は、裁定請求時と比較しても入院、在宅の違いはあるものの殆ど変わっておらず、全体として1級の程度に該当すると認めるのが相当であるため、2級に改訂した原処分は妥当でなく取消し。(H14.8.30)

<ここがポイント>

争点は、障害等級の1級か2級か。認定基準によれば1級に該当すると判断された。

 

 請求人の大動脈弁狭窄症について、平成13年現況届提出時における障害の状態は、設定基準に例示された2級の要件は満たされており、病態は改善しないまま固定しているのが現状であるという見解から、支給を停止した原処分は妥当でなく取消し。(H14.8.30)

<ここがポイント>

争点は、障害等級の2級か3級か。認定基準によれば2級に該当すると判断された。

 

 請求人の急性心筋梗塞、塞梗後狭心症による障害の状態は、裁定請求日において、2級の例示に相当すると認められるため、不支給とした原処分は妥当でなく取消し。(H14.8.30)

<ここがポイント>

 争点は、障害等級の2級か3級か。認定基準によれば2級に該当すると判断された。ところで、本件は、権利を5年間行使しなかったものとして消滅するところ、行政措置により時効の規定を援用しないとした。ただし、本来支払期日より5年間は、支分権消滅として支払いはしない。

 

 請求人の体幹機能の著しい障害については、5年以上にわたり入退院をくり返している請求人の闘病生活が、日常生活に著しい制限を受けていることは明らかであり、2級と判断するのが相当であるため、障害基礎年金を不支給とした原処分は妥当でなく取消。(H14.9.30)

<ここがポイント>

 5年以上にわたり入退院を繰り返している請求人の闘病生活が日常生活に著しい制限を受けることもあり、総合的にみて2級と判断された。

 

 請求人の強迫性障害については、20歳到達日においても、すでに抑うつ状態が継続し、精神病の状態を呈しており2級の該当に該当すると判断されるため、原処分は妥当でなく取消。(H14.9.30)

<ここがポイント>

 争点は、事後重症によるのか20歳前障害によるのか。20歳到達時においてすでに抑うつ状態にあったと判断された。

 

請求人の精神分裂病による障害の状態は、20歳到達日において2級に該当していたと認められるため、原処分は妥当でなく取消。(H14.9.30)

<ここがポイント>

 争点は、事後重症によるのか20歳前障害によるのか。20歳到達時においてすでに抑うつ状態にあったと判断された。

 

 請求人の精神分裂病による障害の状態は、裁定請求日において2級の状態であると認められるため、原処分は妥当でなく取消。

<ここがポイント>

争点は、障害等級の2級か3級か。認定基準によれば2級に該当すると判断された。

 

 請求人の不安性(回避性)人格障害については、裁定請求日においてひんぱんにくり返す病的うつ状態にあり、症状、治療の経過を総合的に勘案すると精神病の病態を呈していたものと判断され、その程度は2級に該当するため、不支給とした原処分は妥当でなく取消。(H14.10.31)

<ここがポイント>

争点は、障害等級の2級か3級か。認定基準によれば2級に該当すると判断された。

 

 請求人の脳出血による障害の状態は、右上・下肢についての日常動作のほとんどが一人で全くできない場合又は一人でできてもうまくできない場合の状態にあり、2級の程度に該当していると認められるから、原処分は妥当でなく取消。(H14.10.31)

<ここがポイント>

争点は、障害等級の2級か3級か。認定基準によれば2級に該当すると判断された。

 

 請求人のシャルコー・マリー・トゥース病については、両下肢に関連する日常動作項目すべてが一人では全くできない場合又は一人でできてもうまくできない場合の状態に該当していることから、障害の状態が国年令別表に定める程度に該当しないとして障害基礎年金を支給しないとした原処分は妥当でなく取消。(H14.11.29)

<ここがポイント>

争点は、障害等級の2級か3級か。認定基準によれば2級に該当すると判断された。

 

 請求人の精神分裂病による障害の状態については、障害認定日頃において、状態像は抑うつ状態が基底にあり、幻想・妄想が出現している等、認定基準の2級の程度に該当しているから、障害認定日において国年令別表に定める程度に該当しないとしてなされた原処分は妥当でなく取消。(H14.12.24)

<ここがポイント>

争点は、障害認定日において障害等級の2級にあったのか裁定請求時点で2級となったのか。

 

 請求人のレックリングハウゼン病については、いわゆる難病の認定に当たり、客観的に所見に基づいた日常性格能力等の程度を十分考慮して総合的に認定するものとされているところ、医師の回答、聴取調書等を参照し、総合的に認定すると、障害の状態が濃く年齢別表に定める程度に該当し、障害基礎年金の支給を停止するとした原処分は妥当でなく取消。(H14.12.24)

<ここがポイント>

請求人の当該傷病の病状は改善が期待できないどころか逆に増悪している旨を医師が回答している。

 

 請求人の肝硬変による障害の状態は、一般状態区分表は2となっているものの、臨床所見及び肝機能検査から、認定基準の障害の程度2級の例示に相当していることは明らかであるから、障害年金の支給を停止するとした原処分は妥当でなく取消。(H14.11.29)

<ここがポイント>

争点は、障害等級の2級か3級か。認定基準によれば2級に該当すると判断された。

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■その他

 請求人の第3号被保険者にかかる未納期間については、平成7年10月に国民年金加入期間確認の請求をして、その時点は平成7年10月まで3号であったことを確認する「年金加入期間確認通知書」が交付されていた。平成7年10月当時は3月特例の申し出可能な時期であり、このときに資格変更の届出が洩れていることが確認できていればその段階で保険料納付済み期間とすることが可能であったものである、期間確認処分を行う際には配偶者の資格変更記録の調査も慎重に行うべきであると考えられるため、原処分は妥当でなく取消。(H14.3.29)

<ここがポイント>

 確認請求をした際に保険料納付済期間が中断されていることが明らかにされていれば、その段階で納付済期間とすることができたにもかかわらず、行政側の確認不足があったと認められた。

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